犬は勘定に入れません/コニー・ウィリス



おもしろいらしいという評判だけ聞いて借りたので、読み始めて数ページ進んだとこでの第一声は「SFかよ!」でした。悪いわけじゃないよ。SFなんて超久々。なんていうかな…門外漢なので聞き流してもらうと、SFラノベとかSFミステリーとか(そんな言葉があるかはともかく雰囲気をつかんでくれ…!)で「変わっている」ことを競ってるような世界観に辟易だったんだけど、ひねりのないそのままのSFっぷりがすごくおもしろかったです…。言葉の定義をきちんとしないと伝わらない感想なのはわかるけどまあ雰囲気でわかってくれたらいいな程度だから飛ばしてください…。
C氏の正体とか、大聖堂に出れない理由とか、ひねりがないというかまさに犯人は執事!なんだけど、そこがよいのです。想像の範囲での「突拍子もない」出来事を求めてるものなんだなあとしみじみしてしまいました。ひねりがないというのはほめ言葉で、もちろん内容全部を見通せたわけではないですよ…。雰囲気の話。雰囲気?本全体からただようオーラっていうか。
ああ、雰囲気の話で長くなってしまった。すごいおもしろかったですよ!ヴェリティかわいいよヴェリティ…。「無駄にも思えるほどの蘊蓄」が苦にならないもので、むしろ内容によってはうきうき読むので、その辺も楽しみました。世紀計算だけど、ネット行き来する最後の解決解説はまさに時刻表ミステリーのような組み立てだしね…。いやいや評価されてる本ってのはおもしろいものなんですねやっぱり。分厚さにびっくりしたけど。