七月七日/古処誠二

七月七日

七月七日

再読。
これは泣かせんかな的意志がちょっと見える、…と思わないとやってらんないぐらいの相変わらず真摯で丁寧な文章。ミステリー的な要素は薄いかな。「文中に隠されていた事実が露わになった衝撃」はあるので、ミステリー読んでるときと似た気持ちにはなるけど。
『七月四日』は救われなさに目が潤んだんだけど、『七月七日』は逆にまとめに入ったが故の山の多さというか四日ほどの丹念な描写ではなかったし四日のような書き方だと耐えられなかったなと思う。
ショーティのミドルネームすら明らかにならないように、護衛兵、チーフ、伍長、と「役割」でしか記述がないんだよね基本的には。繰り返される長谷川一夫とか。そこで鹿山美智子の行動と言動が際立つのかなあ…。