シャングリ・ラ/池上永一

シャングリ・ラ

シャングリ・ラ

多分10時間ぐらい延々読んだ(笑)。話題だった頃に一度借りたのですが、読まないまま返してしまい、この間なんかの拍子に思い出し「そうだ図書館中断期間(誤)に読めばよいのだ!」とリクエストしたのに、最後の日に行くのが面倒でそのままになってたという…。重いの持ち歩きたくないから一気に読んでみたです。
久しぶりに「このダンシの書く女子は合わない」と思いながら読んだ。(笑) 最近女性作家ばっかりだったからなあ。設定は非常に面白いのですが(キーワードはちょっと…後述)、女子が合わないと気に入れないのでなんとも。私はまったく感情移入できないのですがまあ世の中には移入できる女子がいるかもしれませんね…と思いながら読んでたけど、これはむしろ「ダンシの夢見る女子」典型と言う方がいいのかな。ラノベっぽいキャラクターと言ってしまえばまあそうなんだけど、別にラノベに限らずこういう「男子の夢見る女子」はどこにでもいる…。それは別に悪いことだと言いたいんじゃないですが。しかし私は移入できないのでいまいちのめり込めないのです。あと読みながら思ってたのは、「男を道具扱いする女」って、女を嫌いな女子か、男子が書くよなあと。フェミ論ぽくなっちゃうか。あんまりフェミ論したくないので歯切れは悪い(笑)。男子の夢見る女子って話はフェミ云々じゃないのだけど女を嫌いな女子ってのは割とそっちの話になるので言葉を濁しておきます。しかし登場人物女子ばっかだな。涼子あたりでまたかよって思ったぜ正直。
あとは連載だったようなのでしょうがないんだろうけど、ヤマばっかりなので疲れますな。引っ張られてぐいぐい読めます!て分量ではないし(笑)。この勢いを保って読ませる文章を書けると評価も出来るだろうけど、各々はいいんだろうけどまとめられると事件が色々怒濤過ぎてうーん…というこの思いは古川日出男に通じると思いました。女子が多いせいか(笑)。ガール。あと最後の方が、締めるために引いた場所からの語りになってしまったのでちょっと残念かねー。一人称ならば終盤空気が変わるのはアリだと思うのだけども、神視点だからこそ距離感は変えないでいてほしかったかな。打ち合わせしながら書いたってのはとても納得する。
で、各種キーワードですが、俺がヲタ全盛だった頃のキーワードが盛り沢山じゃない…?という思いを抱く中盤以降だったですよ。勾玉でまさかと思ったけど三種の神器、TOKYO、…と…うんなんというか。70年生まれとのことなので、10歳ちょい違うから、うーんそんなもんか。えば以前って書いてた感想を見てソレダーと指をさす。そうそうそういう空気。ちょうど俺が小中ぐらい。えば中学だけど(笑)。えばショックが広がって世界が変わるのにはタイムラグがあるわけで、つまりえばやってた頃に見てたものはまだ「えば以前」のものであるのですよね。ここで例を挙げると原体験がわかりますよね(笑)。というぐらい、よく見たキーワードがてんこ盛りだったなあと思うわけでした。いやまあ三種の神器なんて色々なところでそれこそ神話の時代から物語のネタになってるものですけども。空気とか世界観とかそういうものを含めて…。