ロミオとロミオは永遠に/恩田陸

ロミオとロミオは永遠に〈上〉 (ハヤカワ文庫JA) ロミオとロミオは永遠に〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

タイトルに意味ないのかよ!!!!(第一声) 何度でも言うけど、ここまでしっかり組み上げて騙してくれると爽快としか言えない。騙されるために読んでいるんだもの。そこに至るまでも十分面白かった(オチャノミズは明かされる前に思わせぶりさでなんとなくわかったけど)けど、最後の最後、成仏ってそう来るか!と。
「アキラでジャパニメーションってのが世情だなあ…(笑)」と思いました。今の子は知らんと言われるあれなんじゃないか。大作扱いされた割に一過性だった気がする。それは私がアニメ畑を離れたせい?まあアキラはともかく(笑)、白い猫とか耳の大きい鼠とかゴジラはやはりハリウッドでなく云々とか、あとはトクドメとかフクミツとか…はっきりそうとわかるものって好き嫌い別れんじゃないのかなーと今まで別作品(恩田に限らず)でも思ってたんだけど、バカフィクション的空気を装ってるとそれもありと思わせ…たいのかなーと思いました。んん、どこが私の意見かわかりにくい文章だな。「今まで色々なところで、固有のものを喚起する文章は好き嫌いが別れるんじゃないかと思っていた」「しかし今回の、ギャグ的な空気を装ってるシーンで出してきたのを読んで、『これは故意ですよ』と透けて見せることでアリと思わせたいのかな、と想像した」という話。世代少々上なのですが、全然わからんほどではない、という私は面白く読みましたよ。時代が反映されてるから後から読んだら首を傾げる気がする。自分がもっと古い作品で首を傾げることが多々あるのでそう思う。普遍的なものが多かったけどね。わかる人は普遍的って思ってしまうのだよ多分。
しかしおもしろかったなー。新書でこの厚さは読みにくいのだけど、上下巻に分かれると冊数かさむしね。分厚い本はハードカバーが一番です…。