三月の招待状/角田光代

三月の招待状

三月の招待状

今の自分を作っているのは、目の前に座るこの男なんだ、と気づいてびっくりする。関わったのが彼でなければ、今、自分はぜんぜん違うところにいるだろう。好意を持ってくれている男の家からすごすごと逃げ出すような自分には、きっとなっていないだろう。そう、今の私を私にしたのは、両親でも友だちでも学校でもなく、この男だ。

ここをメモったらば別章で別の視点から「この人は誰と出会っても出会わなくてもきっと今のこの人になっていただろう」という(意訳)語りが入って、どちらも腑に落ちるし納得するしその通りだと思うし簡単に言うとあるあるあるある!!ってなる。人付き合いにおいての「理解し合えなさ」と「相手を理解しているつもりだけどまったくの見当違い」という部分を切り出した感じ。