本格小説 下/水村美苗

本格小説 下

本格小説 下

本格小説(下) (新潮文庫)

どれだけ読み続けたかは時間が物語る以下略(笑)。おもしろかった!すごい勢いで読んでしまった。休みでヨカッタ。
なにしろとなんにせよといかにもの使い方。あたかももか。あんまりとか。独特…というよりはこちらが正しい用法なのかしらん?美しい日本語、正しい日本語ってそこまでしっかり知識があるわけじゃないのだよね…そりゃ同年代よりは割としっかりしてますけどもー。比較相手がそこじゃねえ。しかし「独特(と敢えて言う)」なのが、味を出しているというか特殊な空気を醸し出す一因になっているというか。上巻だけど、「女中って人たちがいなかったことになる(意訳)」のくだりはすごいよなー。
<ネタバレ>フミさん視点で語り尽くしたあとに「あれは本人の好きに話したことであって事実というわけではまるでないのよって可能性」をはっきり提示する手法が、ありきたりだとも言えるのだろうけど巧みだと思った。この部分だけに限らず古典的と言われるかもしれない手法で全体をしっかりじっくり書いたのだなあと、この部分を読んで上下巻を思い返すきっかけにもなってるとゆーか。</ネタバレ>