図書室の海/恩田陸

図書室の海

図書室の海

図書室の海 (新潮文庫)

やはり小夜子を再読せねばならない…。いや読みたくないわけじゃないんだけど(笑)、読んだとしっかり言えてあらすじもぼんやり覚えてる気がする本について「やっぱり覚えてないっぽいからもう一度読もう」ってのは自分の記憶のダメさを再確認するようで何となくしょんぼりなのだ。
ピクニックの準備は、本編に引っ張る予告編としてしっかりツボを押さえていてすごいと思う。ていうかイサオ・オサリヴァンが気になりすぎる。グリーンスリーブスマダー(´Д`;≡;´Д`) こういう待望論が起こるのって期待に胸を膨らませすぎてなっかりするか待望のまま終わるかどちらかになりがちなのがセオリーだけどこれは楽しみだろう…。

劫尽童女/恩田陸

劫尽童女

劫尽童女

劫尽童女 (光文社文庫)

おもしろい(何度も言うようですがいんらすてぃんぐ)とは思うけど…。重いぜ。ずんとくるぜ。えすえふと言うかふぁんたじーの殻がしっかりしてるから逆に重いってゆーか。しかし中身がやはり発行当時の科学とか反映してるものなのだなとは改めて感じるわけです。今書いたら全然違うだろーね。あれもそれもいないけれど人類は進歩してるのだな…それがよいにせよ悪いにせよだけどー。
ラノベ的(また厳密に定義しないでそういう言葉を使う)ではあるけれども、そういう側面は恩田陸の他作品にも割とあると思うのだけど、がっつりどっぷりSF!な世界で更にキャラクターも展開もそういうものである作品は案外ないのかもしれない。このふぁんたじーの世界がどうであろうと、現実世界を基にしているから投影してみようと思ってしまうわけで、それを当てはめてみるとかなりずんと来るのでヘタな近未来えすえふよりよほど身につまされるのだけどなあ。いや近未来えすえふを貶してるわけではないですよ。ヘタな近未来えすえふは身につまされないってことです。ちょと違う。
てゆかこの人はどんどんいわゆる「壮大なテーマ」を描くようになってるなあ…。MAZEとかでも思ったけど。せんそうとかせかいじょうせいとかなんかそういう絡み。しっかり読んでたのは三月だとか麦の海だとかあの辺あたりで、この辺はもう完全な後追いだから現在どういう作品が出てるのかはまったく存じ上げませんけども、どういう方向に行くのかしらん…。駆け足で追うとそういう流れが追えるのだよな。良いのか悪いのかはともかく。